体育主任は学校運営の中核です。学校運営には決して外すことのできない立場。
体育で児童の力を向上させようとしている学校や地域では、体育主任がいなくては学校は回らないほどの超重要ポストです。
なのに、主任手当は出ません。うん、絶対におかしい。
でも、大きな経験を積むなら、体育主任をするのが一番手っ取り早いです。
なぜなら、「全体」を見る目が養われるからです。
「全体」にはいろいろあります。
・学年全体
・学校全体
・地域全体
・所属する市全体
・体育分野全体 などです。
個人的には、働かせ放題の先頭を突っ走る教頭先生やその他管理職の先生の次に大変なお立場かなと思います。生徒指導困難校にいらっしゃる生徒指導主事の先生と肩を並べるほどのお立場かもしれません。
体育主任は、部活動を持っているか持っていないかで仕事量に大きな差が出ますが、基本的には以下の4つの仕事になるかと思います。
(1)校内の体育授業に関わる事柄全般を取り仕切る。
・用具管理
・体育館、グラウンドの管理
・プール管理
・体育委員会の運営
・授業のモデル提示
(2)体育行事を取り仕切る。
・運動会計画立案、提案、運営
・陸上競技大会等、地区の体育行事の運営
・マラソン週間、縄跳び週間等、体力向上行事のコーディネート
(3)年間計画の運営
・体力向上及び学校の運営方針、計画の策定
・体力向上通信発行
・体育部会(先生方)のマネジメント
(4)部活動運営
・朝晩の練習(7時過ぎ~8時、15時過ぎ~17時ころまで)
・部活動通信発行
・練習試合や大会等の引率と運営
思いつくままに書いて大体こんなところでしょうか。(当然まだまだありますよ!)
さらっと短く書いていますが、お便り発行だけでもボディーブローのように効いてくる時期があります。だから、先生方との協力が欠かせませんし、人手不足なら、前もって作っておいたものを発行していくような工夫をしていかなくては続きません。
これが学校全体を動かす運動会や地区の体育行事ともなれば、常に見通しをもって仕事に取り掛からなければ、間に合いません。当然ながら体育主任は自分の学級をもっているわけですので、目の前にいる児童をしっかりと見ていく必要が出てくるわけです。
教員2年目で初体育主任、初6年担任、初部活動顧問などはざらにある話なので、こうなった場合は超多忙の1年となります。ここに若手に向けた研修が入ったり、若いからと言って全体研と言われる校内授業研究を任されたりするわけです。運動会も表現運動の企画と指導をこの時期にやることだって十分にあります。重なるときって、これでもかという量がやってきますよね。小さなお子さんがいらっしゃる先生の場合はいつ仕事をすればいいのやら。崩壊しそうです。
「楽しい」と思えたら最強です。極端に言えば、すべて解決です。仕事の回転数も上がりますし、自分の与えられた立場に誇りを持っているわけですから、どんなことも好転していきます。
ただ、そう思える人は多くはないと推測します。もし、体育主任を任されている、もしくは来年任されそうでちょっと困っているという方は、見通しを持つために参考にしていただければと思います。
超多忙で、何の利益も得ることができない自己満足の世界の主任業ですが、たった一つ言えることがあります。
この仕事を務め上げれば、たいていのことは片手でこなせるほど、心も、体も、頭も強くなります。この経験は本当に強いです。
激務ですので、心も、体も、頭も崩壊することだってあります。それを助けるのが
①できるときに多くの情報収集をして、体育主任の年間計画を立てること!
②自分だけでやらず、周囲の先生方と一緒にやること!
③無理な仕事は「NO」ということ!
これに尽きます。
私は②③ができておらず、なんとかやり切ったものの、11月ごろに燃え尽き症候群でつぶれかけました。何とか出来たのは①ができていたことと、幸いなことに希望となる目標を1つだけもっていたので、なんとかやれただけです。今から考えると、体育主任という仕事を多忙な職にしていたのは自分自身とも言えます。特に②ができていれば、仕事は半減、もしくは3分の1、場合によっては4分の1にすることだってできます。
私は体育主任という役割のおかげで、経験年数の若いうちから、たいていの壁は平気で乗り越えられるだけの実践ノウハウとメンタルを習得することができました。だから、体育主任に感謝です。
私の経験が先生方の何かの足しになれば幸いです。